「介護報酬ファクタリング」とは?ケアハウスのファクタリングについて
2022.12.16
はじめに
すでに銀行からの借り入れがある場合、融資が難しくなるのは事業性融資でも個人融資でも同じです。返済余力ありと認められれば追加融資が実現するかもしれませんが、ハードルは上がります。
そこで融資以外の資金調達方法として活用したいのがファクタリングです。
こちらではケアハウス(軽費老人ホーム)の資金調達を解説していきます。
ケアハウスの経営の特徴
ケアハウスなどの老人ホームの経営に携わっている方は、資金繰りの大変さを身に染みて実感されていることと思われます。
ケアハウスが入所者に対して行うサービスは主に介護であり、施設の利用料と合わせて介護料がサービスの対価として支払われます。
介護報酬については施設利用者の自己負担分以外の大半を国保連に請求しますが、この国保連からの支払いは請求から約2か月先となります。
例えば1月に発生した介護報酬を請求し、実際に入金されるのが2か月後の3月末となるわけで、売上が上がってから現金化されるまでの期間が非常に長くなります。
この入金までの間に、ケアハウスで働く人々に支払う給与のほか、施設を適切に運営するためのあらゆる投資、必要経費、そして借入金やそのリスクの支払いなどで、毎月ある程度のまとまったお金が出ていきます。
これらの支払いが滞ってしまうと、ケアハウスとして経営を続けられません。ですから売上と入金の期間を埋める資金対策を練っておく必要があり、手元に一定額以上の運転資金を確保しておくことが、ケアハウス経営の課題となります。
また最近ケアハウスに高度なサービスや設備を求める方も多く、かつ入所者の重度化も進んでいる中で、追加の設備投資や人材の確保・育成が急務となっています。そうした「未来への投資」は、資金繰りが厳しい状況ではままなりません。
調査資料によればケアハウスによっては老朽化した設備を継続して利用せざるを得ないケースや、従業員が賞与を辞退して経営の正常化を願うなど、資金不足による困窮がつまびらかにされています。
ケアハウスに有効な「介護報酬ファクタリング」
ケアハウスの事業資金を確保する方法として、もっとも安全かつ手軽に行えるのが、介護報酬債権を利用したファクタリングです。
介護報酬ファクタリングと呼ばれ、ケアハウス事業者が国保連に対して請求する介護報酬をファクタリング会社が買取り、ケアハウス事業者に対して対価を入金するというサービスです。
通常2か月以上かかる入金サイクルを最短当日まで短縮できるため、手持ちの現金を増やして経費の支払いや投資などの用途に生かすことができます。
ファクタリングは融資とは違い負債ではなく、あくまで自己資産の売却となります。そのため融資で発生する金利もなく、返済もありません。
一般的な融資よりも審査内容が簡易で、債務超過や赤字経営といった自社の経営状況は不問です。介護報酬があればどんなケアハウスでも利用ができます。
「介護報酬ファクタリング」の仕組みとメリット・デメリット
介護報酬ファクタリングのメリットは、その買取手数料です。
ファクタリングのデメリットでもありますが、買取時に一定の手数料率を売掛債権の額面で割ったも残額が入金額となります。つまり手数料として〇パーセント分のお金が引かれるわけですが、この買取手数料は売掛先の信用力や債権の種類によって変動します。
ざっくり言うと、売掛先の信用力が高いと安くなり、信用力が低いと高くなります。また売掛債権の種類が信頼性のあるものであれば、手数料は安くなり、信頼性が低ければ手数料が高くなります。
この手数料の高低は、ファクタリング会社の回収リスクと連動しているため、リスクが小さい時は手数料は安くなり、大きければ高くなります。
介護報酬や医療報酬などはその請求先(売掛先)が国などの公的機関のため、信用性が高く倒産リスクも低いためファクタリング会社の売掛金回収リスクも低くなり、結果手数料が安くなります。
介護報酬ファクタリングは一般的な売掛金を利用してファクタリングした場合とは違い手数料が安く、利益が確保しやすくなっています。
まとめ
ここまで介護報酬ファクタリンの有効性について紹介しました。
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