民法改正でファクタリングはどう変わる?将来債権ファクタリングと譲渡制限特約
2022.09.27
はじめに
ファクタリングを取り巻く環境は2020年に大きく変わっています。
2017年の民法改正により、従来はファクタリングの対象外となっていた将来債権に加え、債権譲渡制限特約に関する変更があり、その変更内容が盛り込まれた改正民法が2020年4月に施行されたからです。
こちらでは将来債権と譲渡制限特約の取扱いを規定した改正民法とファクタリングへの影響を解説していきます。
譲渡制限特約とは?
譲渡制限特約というのは、第三者への債権譲渡を制限し、弁済者を固定することで事務の単純化や誤弁済をなくすといった、債務者利益にも続く法的要件となります。
民法改正前はこの譲渡制限特約が大きな影響力を持っており、ファクタリングを利用して資金調達を行おうとしてもこの特約があるため、ファクタリング会社から断りを入れられてしまうことが多かったのです。
ファクタリング会社にとっての譲渡制限特約の影響
この特約がある状態でファクタリング会社が債権を買い取った場合、その取引を無効にされ損失を被る可能性がありました。譲渡制限特約を付けずに取引を行う会社もありましたが、大手の企業ほど手続きの猥雑さを避けてこれを付けるケースが多く、建設業における下請け業者などがファクタリングを利用したくてもできない状況がほとんどでした。
改正民法と将来債権
従来の民法では、将来債権が譲渡可能であるという明確な規定はありませんでした。譲渡可能とする判例はいままであり、ファクタリングを例として将来発生する債権を他人に譲り渡す取引も行われていました。
改正民法では第466条の6第1項において、将来債権の譲渡性に言及し、譲渡後に発生した将来債権は譲受人が取得すると第2項で明文化されました。
この民法改正によりファクタリングにおいては、債権の譲渡が禁止・制限されていた場合(譲渡制限特約が付いていた場合)でも、債権譲渡は成立するという法律上の裏付けが行われたことになります。
改正前は、債権は譲渡できるものの、特約で譲渡禁止とされていた場合でにそれを知りながら違反した場合、債権譲渡は無効と解釈されていましたから、これは大きな違いになります。
将来債権ファクタリングの仕組み
改正民法では、
「譲渡制限特約付きの将来債権譲渡については、売掛先が譲渡する債権が譲渡制限特約と知っていた、もしくはそれを知ったファクタリング会社には支払いを拒否できる。またファクタリング利用企業に対する支払いでその債務を消滅させられる。」
ファクタリング会社は売掛先に対して利用企業への支払いを催告でき、その期間内に履行がない場合には改めてファクタリング会社が売掛先に対して直接、ファクタリング利用企業に履行を請求することができるというルール付けがされています。
民法改正後は、たとえ特約が付いていても、問題なくファクタリングの申込を行えること。そしてファクタリング会社をそれを安心して買い取ることができる、というようになったわけです。
まとめ
ここまで将来債権と譲渡制限特約の取扱いを規定した改正民法とファクタリングへの影響について紹介しました。
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